テクノロジー – マイクロ流路チップ方式 セルソーター/セルアナライザー
On-chip Sortの利点
細胞へのダメージ、コンタミネーション。従来のセルソーターが抱えていた課題を一気に解決するセルソーター(製品名:On-chip Sort)。
最先端のマイクロ流路技術と微細成型技術を駆使し、「マイクロ流路チップ」という独自方式を世界に先駆けて開発しました。
流路系のすべてを交換型チップ上に搭載することで、無菌、コンタミネーションフリーを実現しながら、ダメージフリー・ソーティングも可能に。
しかも小型になって、安全キャビネット内へ設置できます。
オンチップ・イノベーション。
セルソーターの進化が、サイエンスに新たな可能性を広げています。
オンチップ社のセルソーターの特長
従来型セルソーター/セルアナライザーとの比較
従来型 | マイクロ流路チップ方式 | |
---|---|---|
コンタミネーション | × 雑菌等混入 | 〇 無菌、コンタミネーションフリー |
細胞へのダメージ | × ダメージの可能性あり | 〇 ダメージフリー |
筐体のサイズ | ×大型の筐体が一般的 | ○安全キャビネット内に設置できるほどコンパクト |
光学系技術 | ○機種によりさまざまなタイプがある | ○小型な筐体に最大3レーザー搭載可能/6カラー検出可能 |
シース液の選択 | × 選択不可 | 〇 幅広い選択が可能 |
ダメージフリーソーティング
Jet-in-air方式と呼ばれる既存のセルソーターによる細胞分取法は細胞分取過程で細胞が負う負荷である”Sorter-Induced Cellular Stress” (SICS, Lopez, P. (2018) CYTO2018)によりソーティング後に細胞に変化が起きることが認知されるようになりました。例えば、形態変化、増殖遅延、生存率低下、遺伝子発現変化などが挙げられますが、SICSは従来方式の高圧操作、ノズル内外の圧力差、電荷や高速での衝撃により引き起こされると考えられています。世界初のマイクロ流体チップセルソーターであるOn-chip Sortは、独自のソーティングメカニズムを使用することで従来方式に付きまとう細胞に有害なステップを排除し、SICSを大幅に削減することが可能になりました。On-chip Sortは皆様のニーズに合ったソーティングを提供いたします。
無菌&コンタミネーションフリー
従来のセルソーターとは異なり、On-chip Sortは安全キャビネット内に収まるほどコンパクトです。 また、ソーティング中にエアロゾルを生成しないので感染の危険があるサンプルを取り扱うことが可能になり実験者への安全も最大限に配慮されております。使い捨てのマイクロ流路チップを使用することでサンプル間のコンタミネーションを防ぎます。装置へのコンタミネーションのため、フローサイトメーターが使用できなかったり、使用を制限されていた方々へ、新しいソリューションをお届けいたします。
お好みのシース液を使用
On-chip Sortシステムでは、空気圧を制御することによって、サンプルおよびシース液が流路を流れる仕組みとなっています。培地や海水などお好みのバッファー液を使用できるため、より扱える細胞の幅が広がっています。標的細胞のみが回収リザーバー中に単離され、その他の細胞は下流にある廃棄リザーバーに溜められるため必要に応じてさらなる解析を行うことも可能です。
細胞塊のソーティング
従来のセルソーターはノズル方式を採用しているため、ソーティングできる細胞のサイズが制限されています(ノズルサイズの約3分の1まで)。 一方、On-chip Sortでは、流路のサイズをフル活用し、スフェロイド、組織切片、オルガノイドなど、最大150 µmまでの細胞塊をソーティングすることができます。
繰り返しソーティング
使い捨てマイクロ流路チップと独自のダメージフリーソーティング技術を使用しソーティングを多段階で行うことで、数が極端に少ない標的細胞を効率よく回収することができます。一度のソーティングで高純度を得られないようなサンプルでも繰り返しソーティングを行うことで純度を飛躍的に向上させられます。
簡単でメンテナンスフリー
On-chip Sortの操作は非常に簡単です。ウォームアップ時間は必要ありません。 サンプルとシース液を充填したマイクロ流体チップをソーターに入れ、 目的の細胞集団を選択するだけでソーティングが開始できます。チップ上の液体はすべて空気圧で駆動されるので、液体が装置のどの部分にも接触することはありません。 実験が完了したら、チップをゴミ箱に入れるだけです。On-chip Sortは、ウォームアップ時間が必要ないほか、洗浄やクールダウンを行わう必要がないため余計な時間を取りません。