エマルジョンのソーティング - セルソーター セルアナライザー フローサイトメトリー | オンチップ・バイオテクノロジーズ

エマルジョンのソーティング

近年、water-in-oil (W/O) エマルションのような微小水滴内での生化学反応への期待が高まっている。W/Oエマルジョンの液滴は、ピコからナノリットルの水溶液を保持し、区分化されたマイクロリアクターとして使用される。 W/Oエマルジョンを使用することにより、サンプルの消費コストが削減され、少量の液滴を大量に使用することにより感度が向上する。最近のバイオ研究分野においてW/Oエマルジョンは、デジタルPCR(ddPCR)や次世代シーケンス(NGS)などの遺伝子解析分野において既に実用化され、創薬スクリーニングや3D培養システムなどの分野でも応用されている。

図1. (a) 生成直後のW/Oエマルジョンの写真。Brain Heart Infusion液体培地中に懸濁されたGFP発現大腸菌が1個、または2個封入されている。 赤い矢印はGFP発現大腸菌を示している。 (b) 20時間大腸菌を増殖させたエマルジョン写真。On-chip Sortでソーティングする前(左)とした後(右)。

 

フローサイトメトリーを使用し、内部で反応をさせたW/O液滴を解析することが出きるが、従来のセルソーターは非水性懸濁液とは不適合であり、それ故にW/O液滴をさらに区画化したwater-in-oil-in-water(W/O/W) 二重エマルジョンを形成することが必要である。 シングルエマルション液滴に比べ、ダブルエマルションは単分散性が低く、生成が比較的難しいため、ソーティング中の「アクティブ」なダブル液滴の選択は厳しくなる。 On-chip Sortは、シース液としてオイルを使用することで、W/Oエマルジョンの効率的なソーティングが可能である。

W/Oの液滴(サイズ40 μm)を生成した結果、Brain Heart Infusion液体培地中に懸濁されたGFP発現大腸菌が1個、または2個封入されていることを確認した。 サンプル中のエマルジョン液滴の約50%が大腸菌を含んでいた。 生成した液滴を室温で20時間静置し、大腸菌を増殖させた。 20時間後、シース液としてミネラルオイルを使用し、On-chip Sortで大腸菌が内部で増殖し、高いGFP強度の液滴をソーティングした(図1)。 ソーティングされた液滴のほぼ100%が大腸菌を含んでいた。 この結果は、On-chip Sortが、シース液としてオイルを使用し、大腸菌封入W/Oエマルジョン液滴を効率よく単離することを証明した。

デモリクエスト 資料ダウンロード
Facebook Twitter YouTube LinkedIn