オンチップウェビナー第五弾Q&A:「Water-in-oil(w/o)ドロップレットを活用した微生物探索・獲得のためのハイスループット技術」産業技術総合研究所  野田尚宏先生 - セルソーター セルアナライザー フローサイトメトリー | オンチップ・バイオテクノロジーズ

オンチップウェビナー第五弾Q&A:「Water-in-oil(w/o)ドロップレットを活用した微生物探索・獲得のためのハイスループット技術」産業技術総合研究所  野田尚宏先生

シスメックス株式会社・オンチップ・バイオテクノロジーズ社合同ウェビナー第五弾
「Water-in-oil(w/o)ドロップレットを活用した微生物探索・獲得のためのハイスループット技術」
産業技術総合研究所  野田尚宏先生
ご質問等がございましたらinfo@on-chip.co.jpにご連絡くださいますようお願い致します。

以下、ウェビナーの際に頂戴しました質問とその回答になります。

Q: このソーターは、流路幅80μm,のものでどのくらいサイズのサンプルまで流せますか?他社のソーターと同じようなイメージで良いでしょうか?

A: 流路幅80μmの場合、球形のものでおおよそ50μmまで対応しております。一般的なフローサイトメーター・ソーターは細胞に最適化されているため25μmあたりまでは流れ、それ以降は詰まりながらも流れますが50μm以上は対応できません。
弊社のマイクロ流路のラインナップは80,150,350μmまでありますので幅広いサイズに対応しております。(オンチップ)

Q: SPiSのシステムでは、W/Oドロップレットの分注は可能ですか?

A:On-chip SPiSでフロリナート系のW/Oドロップレットは比重の関係で全て浮いてしまうため小分け分注(3個ずつ)等でしか対応ができません。一方、GMD(ゲルマイクロドロップ)であれば細胞と同じく懸濁できますのでシングル分注可能です。(オンチップ)

Q: ドロップレット中での培養には酸素が必要かと思いますが、ドロップレットへの酸素供給は十分になされるのでしょうか?

A:フッ素系のオイルは酸素の溶解度が水と比べて約20倍程あると言われておりますので、好気性の微生物はむしろ培養しやすいです。(野田先生)

Q: W/Oドロップレット内で培養したものを、のちに取り出すことは可能でしょうか?

A:微生物が増えたドロップレットを(回収液中に)回収して界面活性剤のないフッ素オイルで何度か洗浄を行うと界面活性剤が薄まり融合が促されます。(野田先生)

Q: ドロップレット内での培養において、ドロップレットからはみ出したような状態で増殖している様子が見られましたが、オイル層でも増殖が起こっているということでしょうか?
また、長期間の培養において、はみ出して増殖するドロップレットの存在は問題になりませんでしょうか。

A:界面活性剤が思ったよりも丈夫で中で増えるケースもありますし、突き破る糸状菌もいました。突き破る場合も例えるならばラップを伸ばしたような形で耐えたり、そうでない場合もありますので微生物により様々です。(野田先生)
ドロップレット内での培養は増殖スピードが遅い菌であればあまり影響がありませんが、早い菌は中で最大まで増え栄養が枯渇して死滅し始めます。あくまでドロップレット培養は評価するレベルの培養に留めておいて拡大培養は分離・回収後行うことが望ましいと考えております。(オンチップ)

Q:シングルセル (動物細胞)をドロップレットで培養してドロップレットの中でどのくらいの数まで増殖させることができるのでしょうか?

A:ドロップレットのサイズや培地にもよりますが、W/Oでの動物細胞培養例はあまりございません。代わりにGMDであれば培地交換ができますのでおよそGMD体積分の細胞が中で培養され、その後外に出ていく様子も確認されております。(オンチップ)

Q:ドロップレットの作成はハイスループットですが、ソーティングがそのスピードに追い付いていないギャップはどのように埋めれるのでしょうか?

A:On-chip Droplet Generatorは直径30μm程で最大1000万drop作製できます。その中にシングルセルを入れる場合は1割入りますので、おおよそ100万drop程の解析が必要になります。
一方On-chip Sortの解析速度は4000個/sec(空のdropも含む)ソーティングスピードは最大1000個/sec(実測500個/sec)となりますのでほとんどのdropletがターゲットになる場合を除き対応することができます。
特にハイスループットのスクリーニングの場合は100万dropの中のTop数%となりますのでよりスペック範囲内となる実験系がほとんどです。(オンチップ)

Q: 界面活性剤濃度と培養日数の関係はどのようになっていますでしょうか?やはり、界面活性剤濃度が薄いと壊れやすくなるのでしょうか?

A:野田先生とのお話ですと界面活性濃度を薄くすることで融合を促しておりますので、薄くなることで壊れやすくなります。オンチップでは2%濃度の界面活性剤で大半のサンプルは安定していることを確認しております。(オンチップ)

Q: Streptomycesのように糸状に増殖するや、酸素要求性の高い微生物はドロプレットで培養しにくいなど、ありませんでしょうか?

A:界面活性剤が思ったよりも丈夫で中で増えるケースもありますし、突き破る糸状菌もいました。突き破る場合も例えるならばラップを伸ばしたような形で耐えたり、そうでない場合もありますので微生物により様々です。(野田先生)

Q: ドロップレットの手法は無菌試験のように微生物がいないことを確認するために用いることは可能でしょうか。

A:FNAPの技術が応用できる可能性もありますし、CFUをdigital droplet CFUのような形で無菌試験のような応用も可能ではないかと考えています。(野田先生)

Q: キット、ぜひ使ってみたいです!

A: 現在、オンチップから販売できるよう野田先生と調整中でございます。時期が来ましたらご案内させていただきます。(オンチップ)

Q:嫌気性菌の培養は可能でしょうか。

A: 嫌気性培養は嫌気チャンバーに入れることで可能です。まだ公開は先となりますが、第3弾「慶應義塾大学 福田先生」による腸内フローラのウェビナーも公開されましたらばご覧くださればと思います。(オンチップ)

Q: 微生物の物質生産ではどうのように活用していますでしょうか?

A: 物質生産の活用事例は第1弾「金沢工業大学 町田先生」、第4弾「長岡科学技術大学 小笠原先生」のウェビナーもご覧いただければと思います。(オンチップ)

Q: 大腸菌の場合、Re-cultureはどのようにしていますか?

A: 微生物が増えたドロップレットを(回収液中に)回収して界面活性剤のないフッ素オイルで何度か洗浄を行うと界面活性剤が薄まり融合が促されます。(野田先生)

Q: ドロップレット培養1回あたりのコストはどれくらいなのでしょうか?

A: RanBio社のフッ素系オイルは界面活性剤5%濃度は10mLで希望小売価格は¥62,000/1本より販売しております。2%まで薄めても十分安定しております。詳しい価格や用途は代理店までお問い合わせください。(オンチップ)

Q: 界面活性剤は使う培地や菌によって使い分けていますか。

A: 野田先生はオンチップが販売しているRanBio社のフッ素系オイルを使用しております。界面活性剤の種類に関しては公開されておりませんが耐熱性、ドロップレットの安定時間などを考慮しながら推奨品として輸入販売し、安定的に供給しております。(オンチップ)

Q:有用物質探索に応用する場合、とれる物質としては水溶性のもののみでしょうか。様々なものを取ってきたい場合、たとえばO/W型にすることも可能なのでしょうか。

A: 微生物がオイル中に存在しないためリアクターとして、オイルに回収させるようなことは考えとしてはあるかと思いますが取り組んだことはありません(野田先生)

Q: 今回野田先生が発表していただいた実証実験は、最終的にどんな菌が欲しいなど目指しているものはございますでしょうか?

A: 私たちの研究は手法の開発、利用なのでその中から現実的に利用可能なものを、他の研究者や企業と組み応用してもらうことを積極的に取り組んでいます。(オンチップ)

デモリクエスト 資料ダウンロード
Facebook Twitter YouTube LinkedIn