【ウェビナーのお知らせ】ドロップレットで有用細菌を探索:エビを守る!生物防除微生物のスクリーニング

従来のスクリーニング手法では見逃されがちな希少な有用細菌を、ハイスループット・ドロップレットマイクロ流体技術によって発見する新たなアプローチをご紹介します。

オンチップ・バイオテクノロジーズは11月17日(火)、東京海洋大学 ゲノム科学研究室の小祝 敬一郎先生と湯浅壱先生による研究をご紹介するウェビナーを開催いたします。本ウェビナーでは、ドロップレットマイクロ流体技術を活用し、持続可能な水産養殖に貢献する有望な生物防除微生物を効率的に探索する研究についてご紹介します。

感染症は、持続可能な水産養殖の実現に向けた大きな課題の一つです。特にエビ養殖では、効果的な疾病予防技術の確立が強く求められています。病原菌の増殖を抑制する有用細菌は、抗生物質に代わる有望な選択肢として期待されています。しかし、従来の寒天平板培養法では、増殖速度が速く、存在量の多い微生物が優先的に分離される傾向があり、重要な生物学的機能を持つ希少な細菌や増殖の遅い細菌を見逃してしまう可能性があります。

では、こうした従来の手法では捉えきれなかった微生物の多様性に、どのようにアプローチできるのでしょうか?

研究チームは、On-chip Droplet GeneratorおよびOn-chip Droplet Selectorを用いて、エビの重要な病原菌である Vibrio harveyi に対して拮抗作用を示す可能性のある細菌を探索する、ハイスループットスクリーニングプラットフォームを開発しました。

クルマエビ(Penaeus japonicus)の飼育水から採取した天然の微生物群集と、GFPを恒常的に発現するよう遺伝子改変した V. harveyi 株を、ピコリットルスケールの油中水滴(Water-in-Oil Droplets)に共封入しました。

約90万個のドロップレットをスクリーニングし、GFP蛍光の減少が認められたドロップレットを選択的に分取することで、Pseudoalteromonas 属、Shewanella 属、Tenacibaculum 属の3属に分類される18株の候補細菌の分離に成功しました。

アンプリコンシーケンシング解析により、これらの細菌は環境中での存在比率が極めて低い微生物集団に由来することが明らかになりました。さらに、生体を用いた実験(in vivo)では、選抜された Shewanella 属細菌株を用いた処理によって、エビの生存率エビの生存率が向上する傾向が認められました。

  • – ドロップレットマイクロ流体技術を活用し、複雑な微生物群集をハイスループットにスクリーニングする方法
  • – 蛍光シグナルに基づくドロップレット分取によって、病原菌の増殖を抑制する可能性のある細菌を探索する方法
  • – 従来の分離培養法では見逃されがちな希少微生物集団が、有用な微生物候補の探索において重要である理由
  • – ドロップレット技術を用いた微生物探索が、持続可能な水産養殖や生物防除研究にどのように貢献できるか

演題: Hunting Helpful Bacteria in Droplets: Screening Biocontrol Agents to Protect Shrimp
開催日: 2026年11月17日(火)18:00 – 19:00 日本時間
ご講演者:
小祝 敬一郎 先生
東京海洋大学 学術研究院 学内共同利用施設等 水圏生物生産工学研究所 准教授
湯浅 壱 先生
東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科

参加登録:
https://us02web.zoom.us/webinar/register/8817931584704/WN_PwhWWGrHT9uYtRa2UDidog

微生物生態学、微生物学、バイオテクノロジー、水産養殖、海洋生物学、ハイスループットスクリーニングなどの分野に携わる研究者の皆様にとって、本ウェビナーは、ドロップレットマイクロ流体技術が従来見逃されてきた微生物の多様性をどのように明らかにできるのか、その可能性を知る貴重な機会となります。

数十万個もの微小ドロップレットを用いたスクリーニングによって、実用的な可能性を持つ有用細菌をどのように発見できるのか。ぜひ本ウェビナーでご覧ください。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。