9月10日 (水) から12日 (金) の3日間、広島工業大学五日市キャンパスにて開催される「第77回日本生物工学会大会」にオンチップ・バイオテクノロジーズが参加致します。12日(金)は、広島大学より青井 議輝先生をお招きし、ランチョンセミナーを開催予定。お弁当も用意しておりますので、ご興味のある方は是非ご参加くださいませ。
【開催日時】9/12(金) 12:00 ~13:00
【開催場所】広島工業大学 三宅の森 Nexus21 K会場〈704講義室〉プログラム番号:3L-K
【ご講演者】青井 議輝先生
広島大学大学院統合生命科学研究科
広島大学瀬戸内CN国際共同研究センター
演題:難培養微生物の可培養化と有用機能の同時探索を可能にする革新的ドロップレット培養技術
環境中のほとんどの微生物は培養されておらず、その多くは従来の培養法では培養困難であることは広く知られています。それら環境中の未培養微生物を資源として活用することは期待されつつも未だ十分に活用できているとは言えません。その理由の一つとして、環境中に膨大に存在する未培養微生物を資源化するためには、2つのボトルネックが存在することが挙げられます。1つ目は99%以上の微生物は培養困難という点であり、2つ目は、目的の活性や機能をもつ微生物の割合は極めて低いという点です。2つのボトルネックを同時に解消する試みは極めてチャレンジングですが、逆に達成できると大きなブレークスルーとなり得ると言えます。当研究グループで開発した革新的培養法:GMD(Gel Micro Droplet凝集培養法(特許第6785465)は、108個の独立した培養系を維持したまま環境微生物の50%以上を可培養化することが可能です。従来法での可培養化率は1%以下であることを踏まえると、この結果は微生物学の常識を大きく覆す性能と言えます。さらに我々は、上記の約108個のドロップレットをそのまま機能ベースで活性を検出し、目的活性を持つ微生物を取得するという革新的なスクリーニング手法の開発に成功しました(特許出願中:PCT/JP2024/010423)。本手法は複数の層構造を有するドロップレットを用いたスクリーニング技術であり、多様な機能や活性を評価することが可能です。抗菌物質生産菌のスクリーニングや酵素活性を指標として本手法の妥当性および有効性を検証したところ、本手法が有用微生物のスクリーニング手法として有効であると実証されました。本セミナーではこれらの取り組みについてご紹介します。