オンチップ・バイオテクノロジーズは、2026年5月12日(火)14:00より、ウェビナー「タンパク質凝集体核生成解析におけるドロップレット技術の応用」を開催いたします。
講演者には、東北大学多元物質科学研究所の福山真央先生をお迎えいたします。
【講演要旨】
タンパク質凝集体、特に線維状凝集体であるアミロイド線維は、アルツハイマー病やパーキンソン病をはじめとする多くの疾患の発症機構に深く関与していることが知られています。アミロイド線維形成は一般に核形成依存過程(nucleation-dependent process)として記述され、アミロイド核形成は線維成長に比べて著しく遅く、この核形成過程が全体の律速段階であると考えられています。そのため、アミロイド核形成を正確に捉え、定量的に理解することは、疾患発症機構の解明やアミロイド形成阻害剤の開発において極めて重要です。近年、多くのアミロイド前駆タンパク質が細胞内で液-液相分離により、高濃度の濃縮相(膜のないオルガネラ、細胞内液滴ともよばれる)を形成することが報告されており、こうした濃縮相がアミロイド核形成の場となる可能性が強く示唆されています。しかし、従来のバルク測定では、濃縮相が系中に局在すること、濃縮相内部で生じる核形成は確率的であることが問題となり、核生成を定量的に評価することが困難でした。そこで本研究では、マイクロ流体技術を用いてサイズを精密に制御したマイクロ水滴内に濃縮相を形成し、アミロイド核生成を1イベントレベルで検出・解析する手法を開発しました。本手法により、濃縮相中におけるアミロイド核生成速度を定量的に評価することが可能となりました。さらに、このような微小空間を利用した解析系は、濃縮相中でのアミロイド形成機構の分子論的理解に加え、将来的には創薬スクリーニングへの展開も期待されます。本ウェビナーでは、これらの研究成果と今後の展望についてご紹介します。
ドロップレット技術を研究されている方の中には、「新たな解析手法を模索したい」「微小空間で生じる不均一系現象をどのように定量化すべきか」といった課題をお持ちの方も多いのではないでしょうか。本ウェビナーが、その解決や新たな気づきにつながる機会となれば幸いです。
