9/8 (日) ~ 9/10 (火) の3日間、東京工業大学大岡山キャンパスにて開催される第76回日本生物工学会大会に出展致します。9/8 (日)は東京農工大学の養王田 正文教授をお招きし、ランチョンセミナーを開催予定です。
【開催時間】11:45 – 12:45
【開催場所】B会場
【要旨】
マイクロ流路チップ型セルソーターを用いた難培養微生物Dehalococcoides属細菌の単離
環境中には膨大な種類の微生物が存在しますが、その多くが培養が困難な難培養微生物です。NGSの発明により、それらのゲノム情報の取得が可能となり、多くの知見が集積されています。しかし、難培養微生物の詳細な解析と利用には、単離と培養が必要です。私たちは、難培養微生物であるDehalococcoides属細菌を用いたバイオレメディエーション技術の開発を進めています。Dehalococcoides属細菌は嫌気的条件下で有機ハロゲン化合物を電子受容体として利用する脱ハロゲン呼吸を行う微生物であり、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌や地下水のバイオレメディエーションによる浄化への利用が期待されています(1, 2)。私たちは、以前、有機塩素化合物で汚染された地下水から優れた脱塩素能を有するDehalococcoides属細菌を見出し、製品評価技術基盤機構の内野博士の協力により、Dehalococcoides UCH-ATV1を単離しました。しかし、単独では増殖速度が極めて遅いため、その増殖を支援する他の微生物を獲得し、優れた脱塩素化能を有する微生物コンソーシアの構築に成功しました(3)。このコンソーシアは、「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」への適合が認められ、実用化を進めています。Dehalococcoides属細菌などの嫌気的脱ハロゲン呼吸を行う微生物の単離は、熟練した技術者の巧みな技術によってのみ可能であり、単離が困難な種も多く存在すると考えられます。私たちはオンチップ・バイオテクノロジーズと共同で、マイクロ流路チップ型セルソーターを用いたDehalococcoides属細菌の単離技術の開発を進めています。本発表では、その進捗状況について報告します。
(1) Maymó-Gatell X, et al. (1997) Science 276:1568-71.
(2) He J, et al. (2003) Nature 424:62-5.
(3) Yohda M, et al. (2017) Sci Rep. 7:2230.
展示ブースでは、弊社製品Droplet Selectorを展示予定。
当社社員が常駐しておりますので、ご興味のある方は是非お立ち寄りくださいませ!