希少細胞のソーティング - セルソーター セルアナライザー フローサイトメトリー | オンチップ・バイオテクノロジーズ

希少細胞のソーティング

循環腫瘍細胞(CTC)は、末梢血中を循環している原発性もしくは転移性腫瘍細胞である。
末梢血中のCTCは、予後予測、治療標的の評価および治療応答の監視に使用されてきた。しかしながら、末梢血細胞中にあるCTC数が少ないこと、および不均一な形態学的および表現型プロファイルのために、CTCの濃縮およびその後の特徴付けは依然として技術的に困難だとされている。

図1. (A) 繰り返しソーティングにおけるソーティング方式のイメージ図。 (B) 健常者の末梢血8 mLに60個のPC9細胞をスパイクし、3回ソーティングをした。赤いプロットはスパイクしたPC9細胞を表し、黒いプロットは血球を表している。

On-chip Sortは、多段階のソーティングを介して高純度にCTCを単離することが可能であり、回収したCTCは次世代シーケンシングなどの用途に使用できる。
この方法を繰り返しソーティングと呼んでいるが、1回で高純度に回収するのではなく、2~3回繰り返すことにより徐々に回収純度を向上させていく方法である(図1A)。
1回目のソーティングは高細胞濃度で流しているため、目的細胞を回収するとき一部の血液細胞も引き込まれ回収する。この時点で純度は高くならないが、回収したサンプルをサンプルリザーバーに再度入れ、繰り返しソーティングすることで血液細胞は除かれ細胞濃度が低くなるため、2~3回目後には目的細胞の純化が完了している仕組みである。
健常者の末梢血(8mL)に60個のPC9細胞をスパイクしたものに溶血、固定および透過処理を施し、FITC標識抗サイトケラチン(CK)抗体およびPE/Cy7標識抗CD45抗体によって染色したサンプルをCK陽性細胞およびCD45陰性細胞を3段階の繰り返しソーティングにて単離した(図1B)。
繰り返すほど、よりCTCが純化され、3回目のソーティング後には、回収率約70%と純度約80%に達した。
この結果は、On-chip Sortが希少細胞を効率よく純化し、次のステップとなるNGS解析などの高純度を必要とする解析などに応用することができることを示している。

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